PROFILE

「”コダワリ”はウェスト・コーストのファンクをベースにしたヒップホップで、そこはこの先も変わらないと思うんですけど、その上で”North”(=北海道) を感じさせる味付け、というところは常に意識してますね。HOKT君が提唱したDirty North、それをサウンドで表現し続ける・・・そんな存在でありたいです」
カオーン!・・・もはや”北の顔”とも言えるハイクオリティでダイナミックなファンク・サウンドをそのイルな指先から弾き出すFUNK MASTER、つまりFANXTA=Lil’J。
ロジャー・トラウトマンやドクター・ドレーに,DJ クイック、バトルキャットらを心の師とし、決してパート・タイムなどでなく、正真正銘フル・タイムの ミュージック・プレイヤーである彼は語る・・・。「音楽にハマらなければまともな人生を送ってなかった。
その意味でも音楽との出会いに感謝してもし切れないんですよ・・・」50s のロカビリーで、”それ”に目覚め、ブルースからR&B、ソウル、ファンク、ヒップホップと黒人音楽の変遷を耳で追う形で独学で全てを学んできた 彼は、キーボード&トークボックス、そしてサックスを操るライヴ・ミュージシャンであり、昨年スタートさせた8人編成のファンク/ソウルバンド=JAY’s BANDや、札幌のレジェンド的ドゥーワップ・バンド=APOLLOS、そしてご存知NCBBのステージでも、トークボックスやサックス、ぴーひゃら感がたまらないアナログ・シンセの名機=mini moogを操り、ドクトクの存在感を醸し出している。

またスタジオでは鍵盤類の他、サンプラー=MPC4000のパッドを叩き、クラブやラジオでは「ファンクの快楽原則を守り続けている」ウェッサイのヒップホップをメインにプレイするDJ(そのセンスとスキルたるや!)としての視点も活きた、レイドバックしたファンクから最新のバウンスまで”間違いなく腰にくる”黒くファットなトラックを次々と送り出しているのだ。そのサウンド・スタイルは、吹雪の中でギラリと鈍い光を放つ「ダーティー・ノース・ファンク」そのもの、だ。

そして、”ルーツを学んでいる”者のサウンドほど説得力のあるものは他にはない。

NCBBの『The Mission』(’06)への参加以降、その”北の大家族”のサウンド・チームの一員(長)として関連作のほぼ全てに関わってきた彼の”代表曲”は、NCBBでは「バラまく夜」、「Baby Girl」、「REACH OUT TO THE SKY feat.BIG RON」、「One Family」、HOKT「PLAYER~ススキノブルース feat.DAI -HARD」、 「NARIAGARI」、「TRUE LOVE~オマエ、俺だけのもの~…」、DAI -HARD「HA-NA-BI-RA」、1-KYU「G.E.T.O.R.E」、「LAST SUMMER~砂に書いた…~」などなど。

その他にもAK-69からKJIまで数々のアーティストにトラックを提供し、国境を超えた仕事ではチカー ノ・ラッパー=カジュアル(1503)とトークボックスで共演したり、LBCの生ける伝説グループ=フォーサムのリミックス(本盤にも収録)を担当したこ となども記憶に新しい。そんな裏方(シェフ)かつ表方(プレイヤー)でもある(無論ど ちらも職人芸!)彼が、ソロ名義で放つ初の作品集となる本作は、「現時点での活動集大成」と呼べる濃厚な仕上がりとなっている。NCBBクラシックに JAY’S BANDのマテリアル、そして絆の強いラッパー、シンガー、その他ミュージシャンたちとのコラボレーションの妙もさることながら、全体的に トークボクサー、またはサクソフォニストとしての”歌ゴコロ”がキーになっている、という作りが嬉しいではないか!「ブリブリ」という擬音形容がこれ以上なく似合う骨太でアッパーなファンク・チューンからロマンティストぶりが冴え渡るメロウ・チューンまで、その中でも性格 の異なる楽曲を並べた構成はLiI’Jファンクの幕の内弁当(北の名産入り)。

掘れば掘るほど面白く、愛せずにはいられない音楽という文化に携わってから、ずっと思い描いてきた夢、それを信じ、日々精進することを惜しまない姿勢と、持って生まれたハートの強さ・・・そんな、どんな豪雪をも瞬時に溶かすようなアツい想いがここには詰まっている。

「そう 舞い上がる 為に Never be crazy あの日まで
そう 涙の過去を 捨てて 目覚めが来る日まで」 from LIFE(StayGold)

 

Wake Up!(マルコムX、もしくはKRSワン、またはスパイク・リーの声で)
「明るい未来なんて見えるわけない・・・」と、自分勝手に決めつけてる全国津々浦々の若者たちが、このヴァイタリティーの塊のようなマスターピースで”目覚める”(カルチャー・ショックを受ける)ことを切に祈る。それくらいアガる音楽。”気づき”のある音楽。まさにOne&Only. 稀代のFANXSTA =Lil’J、ここにあり!

二木崇 D-ST.ENT